総合型選抜・AOの慶教ゼミナール

東京農大一高から慶應SFC|総合型選抜と一般入試を並行した受験戦略

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東京農大一高から慶應SFC|総合型選抜と一般入試を並行した受験戦略

「発狂してました」

高校3年生の春から夏にかけての時期を振り返って、鈴木健太郎さんはそう言った。研究テーマが決まらない。周りの塾生は既に志望理由書を仕上げてブラッシュアップに入っている。模試の結果も全然出ない。総合型選抜も一般入試も、二重の不安が頭を埋め尽くしていた時期のことだ。

東京農業大学第一高等学校ハンドボール部に所属し、幼稚園から続けた空手を含めると3つのスポーツを経験してきた。しかし塾には世界大会優勝者や全国規模の賞を取った塾生が周りにいた。「自分は大した記録を持っていない」というコンプレックスが重くのしかかった。学校でも総合型選抜受験者は少数派で、友達に相談できる環境もなかった。

それでも鈴木さんは、高3の6月に研究テーマを発見した。空手・バスケ・ハンドボールという3競技の体験から生まれた「クロストレーニング」研究。自分の経験こそが最大の武器だと気づいた瞬間から、受験の景色が変わった。道着を着て撮影した3分間プレゼンテーション動画は、「一番評価してもらえた」と本人が振り返るほどの完成度になった。

この記事では、中学受験失敗という挫折から慶應SFC総合型選抜合格に至るまでの鈴木さんのストーリーを追いながら、「自分の経験を武器に変える」総合型選抜対策の本質を明らかにする。

ー合格者プロフィールー

項目内容
氏名鈴木 健太郎
氏名(ひらがな)すずき けんたろう
合格大学・学部慶應義塾大学 環境情報学部(SFC)
入試方式総合型選抜(AO入試)
出身高校東京農業大学第一高等学校(私立・共学)
出身校の文理区分理系
部活ハンドボール部
総合型選抜開始時期高校2年生冬
併願総合型選抜+一般入試(慶應文学部・SFC・商学部)
利用
英検取得状況準1級
主な活動クロストレーニングを用いた練習の実用化に関する探究研究(空手・バスケ・ハンドボール3競技の技術転用効果を簡易動作解析で検証)
受験対策志望理由書2000字(SFC・文学部各1本)・A4自由記述(ポートフォリオ)・任意提出書類最大10点・3分間プレゼンテーション動画(Filmora自作)・面接対策約1ヶ月
現在の状況大学4年生・スポーツ研究を卒論まで継続・ベイカレント・コンサルティング内定(システムコンサルタント職)

この記事でわかること

  • 中学受験失敗・研究テーマが決まらない「発狂」状態から慶應SFC総合型選抜に合格するまでのリアルなストーリー
  • 空手・バスケ・ハンドボール3競技の経験をクロストレーニング研究という探究テーマに昇華させた具体的なプロセス
  • 志望理由書2000字・3分プレゼン動画・任意提出書類10点を仕上げた書類作成の全戦略
  • 総合型選抜と一般入試を並行しながら平日10時間勉強で慶應SFCを突破した受験スケジュールの全記録

こんな人におすすめ

  • 慶應SFC環境情報学部の総合型選抜を目指している高校生・保護者
  • スポーツ経験や部活実績を探究テーマ・志望理由書に活かしたい受験生
  • 研究テーマが決まらず焦っている高校3年生・高校2年生
  • 総合型選抜と一般入試の並行対策を検討している受験生と保護者

合格のポイント

日常のスポーツ経験を学術研究テーマに昇華させた

幼稚園から続けた空手・中学のバスケ・高校のハンドボールという3競技の体験から「クロストレーニング」という独自の研究テーマを発見。自分の強みを軸にした一貫性のある書類を完成させた。

3分プレゼン動画で「自分らしさ」を最大化した

道着を着用してFilmoraで自作した動画が教授陣の印象に残り書類審査突破の核心となった。「自分の魅力を最大限に詰め込めた」インパクト重視の動画戦略が差別化を生んだ。

「使えるものを全て使う」二刀流対策で本番に自信を作った

早稲田塾と東進の二塾体制で総合型選抜と一般入試を並行。平日8〜10時間・休日10時間超の準備が「とにかく準備をしまくった自信」につながり、予定30分の面接を15〜20分で自然に終えた。

空手・バスケ・ハンドボール
――3つのスポーツが一本の研究テーマになるまで

鈴木健太郎さんのスポーツ遍歴は、幼稚園から始まる空手を起点に、中学のバスケットボール、高校のハンドボールへと続いてきた。一見バラバラに見える3競技の経験が、後に慶應SFC総合型選抜の核心となる研究テーマへと結実していく。しかしその過程は、最初から見えていたものではなかった。

東京農業大学第一高等学校に進学し、ハンドボール部に入った鈴木さんが気づいたのは、空手で培った腰の回転技術がハンドボールのボール投げに自然と活かされているという感覚だった。地面からの反発力と腰の回転の連動。空手の型で体に刷り込んできた動きが、全く異なる競技の中で機能していた。中学のバスケットボールでも、同じような体の使い方の共通性を感じていた。

「いい練習方法なんじゃないかって着目して」。その感覚を最初に言語化したとき、鈴木さんの中で何かが動いた。自分が無意識にやっていたことには、理論的な根拠があるのではないか。異なるスポーツをまたぐ技術の転用効果は、スポーツ界全体に活かせるのではないか。「どうにか社会とかスポーツ界に生かせないか」という問題意識が生まれた瞬間だった。

これがクロストレーニング研究の出発点だ。幼稚園から積み上げてきた空手の技術、中学のバスケ、高校のハンドボール。バラバラに見えていた経験が、一本の線でつながった瞬間だった。

「これをスポーツ界に活かせないか」
――体の使い方の共通性に気づいた瞬間

ハンドボールの試合や練習の中で、鈴木さんは不思議な感覚を何度も経験していた。誰かに教わったわけでも、意識的にトレーニングしたわけでもない動きが、競技の中で自然と出てくる。それが空手の腰の回転から来ていると気づいたのは、ある練習中のことだった。

具体的には、ボールを投げる際の地面からの反発力と腰の回転の連動だ。空手の型では、力を地面に伝え、その反発を腰の回転に変換し、最終的に技の先端に乗せる動きが基本になっている。それがハンドボールのボール投げにそのまま転用できていた。「自分の強みって大きく生かせるんじゃないか」。この気づきが研究テーマの原点になり、大学での卒論まで一貫して探究を続ける原動力になった。

中学受験失敗・指定校推薦断念
――2度の挫折が「使えるものを全て使う」覚悟を作った

鈴木さんの受験史は、小学6年生の中学受験から始まる。第一志望は早稲田中学校。サピックスで準備を進め、本郷中学校を第二志望に設定していた。しかし早稲田中学校は不合格に終わった。小学生にとって初めて経験した大きな挫折。「もうちょっと頑張ったって、後悔がすごい大きくて」という言葉に、その痛さが凝縮されている。

東京農業大学第一高等学校に進学した鈴木さんは、その悔しさを燃料に変えた。「悔しいっていうよりかも、見返してやりたいみたいな。そっちの方が強いですね。リベンジ心というか」。慶應への憧れは家庭環境もあって強く、「慶應に絶対に行きたかった」という思いが高校生活の底流に流れ続けた。

成績はある程度良い水準を維持できていた。指定校推薦の枠があれば、そこを狙う選択肢もあった。しかし現実は厳しかった。ほぼオール5の同級生がいた。「自分以上に本当に完璧な子っているじゃないですか。もうこの人には勝てないな」。その判断は悔しさを伴いながらも、冷静だった。指定校推薦枠を諦めた瞬間、次の道が見えた。

「この人には勝てない」――指定校推薦を諦めた日の決断

指定校推薦を断念した日の判断は、諦めではなかった。「自己推薦だったり、総合型選抜で挑戦していけるチャンスはあったので、そこはしっかりと諦めずに挑戦していく」という方向転換だった。そして「使えるものを全て使っていこう」という戦略が固まった。一般入試だけでなく、総合型選抜も並行して活用する。両方を武器にして慶應を目指す。2度の挫折が、かえって鈴木さんの受験戦略を強固にした。この覚悟が、後の平日10時間以上の学習と二塾体制という行動力の根拠になっている。

「発狂してた」――研究テーマが決まらなかった高3夏前の苦悩と突破口

高2冬に総合型選抜専門塾・早稲田塾に入塾した鈴木さんにとって、高3の春から夏にかけての期間は、受験期で最も苦しい時間だった。周りの塾生たちは既に研究テーマが決まり、志望理由書の作成・ブラッシュアップフェーズに入っている。それなのに自分だけが、まだテーマすら定まらないまま右往左往していた。

塾には世界大会で優勝した経験を持つ塾生や、全国的な賞を受賞した塾生がいた。自分には大した実績がない。そのコンプレックスが、テーマ探しをさらに難しくした。「まだできてないの?」と塾で言われる言葉が刺さった。「遅れてしまっているなぁっていう焦りはありました」という言葉は、その時期の精神状態を端的に表している。

学校でも孤独だった。東京農大一高は一般入試がメインの進学校だ。総合型選抜受験者は少数派で、友達に相談しても理解してもらえる環境ではなかった。「疎外感というか、孤独感みたいなものも実際あった」。模試の結果も出ない。総合型選抜も進まない。二重の不安が頭を占め続けた時期を、鈴木さんは「発狂してました」という言葉で振り返った。

「これであったら、いけるかもしれない」
――6月、クロストレーニングに辿り着いた日

転機は高3の6月に訪れた。塾の先生との相談の場で、一つの質問が投げかけられた。「スポーツの経験で困ったことはなかったか」。その問いに答えようとした瞬間、鈴木さんの頭に浮かんだのは、ハンドボールの練習で空手の技術が自然と使えていた体験だった。「これであったら、自分でもアピールできる、いけるかもしれない」。クロストレーニングというテーマが決まった瞬間だった。当初検討していたスポーツビジネスという方向性から、自分の実体験を軸にした研究へ。塾の先生の一言が、テーマを掘り起こした。受験の道筋がようやく見えた瞬間だった。

慶應SFC総合型選抜の書類作成・3分動画・志望理由書2000字の全戦略

研究テーマが決まった後、鈴木さんの書類作成は本格的に動き始めた。慶應SFCと文学部の2学部それぞれに2000字の志望理由書を作成する必要があった。クロストレーニング研究を軸に、自分の経験と大学での学びを一本の線でつなぐ構成を数ヶ月かけて練り上げた。SFCでは研究したいテーマとの適合性を前面に出し、文学部では受験勉強を通じて育った英語・言語・世界史への関心を軸にした。

A4自由記述のポートフォリオでは、視覚的なインパクトを意識したレイアウトを採用した。任意提出資料は最大10点まで提出できる枠を活用し、スポーツ経験の実績と研究の内容を書類として形にした。「とにかく、とにかく準備をしまくった。それが自信につながった」という言葉が示すように、使える提出物は全て出し切る姿勢で臨んだ。

SFCでは、コロナ禍の対応として3分間プレゼンテーション動画の提出も求められた。ここで鈴木さんが取った戦略が、後に最も評価された要素になる。道着を着用し、空手とクロストレーニングの関係を自ら実演しながらビデオを制作。動画編集ソフト「Filmora」を初めて使い、一人で編集を完遂させた。

道着を着てFilmoraで編集した
――YouTuberの気分で作った3分動画が教授の記憶に残った

3分動画の制作過程は、等身大の高校生のリアルそのものだった。道着を着て自撮りし、スタジオでも専門家でもない、自室での撮影だった。「YouTuberの気分だったりして」という鈴木さんの言葉に、その雰囲気が凝縮されている。照明の眩しさに戸惑いながら、Filmoraで編集を重ねて完成させた。しかし完成した動画は、「自分らしさというか、自分の魅力というか、それを最大限に詰め込めた」と言えるものになった。「インパクトも結構強めのビデオだったので、そこが教授たちの印象に残ってくれた」。道着という視覚的なインパクトと、自分の研究内容を体で示すプレゼンテーション。それが書類審査突破の核心になった。「一番評価してもらえたのは、やっぱり3分プレゼンテーションビデオだったかなと思いますね」という言葉が、その評価を物語っている。

一般入試と総合型選抜の並行対策
――平日10時間・東進×早稲田塾の二刀流スケジュール

鈴木さんの受験生活は、二つの戦線を同時に戦うことを意味していた。早稲田塾で総合型選抜対策、東進ハイスクールで一般入試対策という二塾体制を組み、「一般の塾に行きながら、その総合型の塾にも別の塾に行っていた」というスケジュールを維持した。平日は8〜10時間、休日は10時間以上の勉強時間を確保し、朝起きてすぐに学習を始める生活を継続した。

東農大一高の高3は昼頃に授業が終わる。午後は自習室または塾で時間を使い切る毎日。毎日のタイムスケジュールを決めて実行し続けた。「もう二度とやりたくないと思います」という言葉が示すほどの勉強量だったが、その積み重ねが「とにかく準備をしまくった自信」に変わっていった。

一般入試との並行対策は、総合型選抜が不合格だった場合のセーフティネットであると同時に、学力の底上げにもなった。志望理由書の作成や研究テーマの深掘りに追われながら、英語・国語・世界史の学習も止めなかった。その努力が秋の模試で実を結ぶことになる。

「やっと土俵に立てた」
――秋の模試でSFC・C判定が出た日の感覚

夏まで全然結果が出なかった模試が、9〜10月になって動き始めた。慶應文学部でB判定、慶應SFCでC判定まで上昇した。「やっと土俵に立てた」という言葉に、それまでの長い苦悩が一気に解放される感覚が詰まっている。総合型選抜の準備が軌道に乗り、一般入試対策も成果が出始めたこの時期に、二重の不安が「どちらでも戦える」という自信に変わった。総合型選抜の面接に向けて、さらに約1ヶ月の集中対策が始まった。

慶應SFCに評価された3つの軸
――偏差値・実績ではなく何が刺さったか

鈴木さんの合格を分析すると、慶應SFCが評価したポイントは3つの軸に整理できる。

一つ目は「スポーツ経験の一貫性と継続力」だ。幼稚園から続けた空手は、単なるスポーツ実績ではなかった。中学のバスケ、高校のハンドボールへと競技は変わっても、体の使い方の共通性を感じ続けた経験が研究テーマと自然につながった。「スポーツ経験→研究テーマ→将来目標」という一貫した軸が、書類全体に説得力を与えた。

二つ目は「実体験から生まれた独自の研究視点」だ。クロストレーニングというテーマは、塾で「これをやれ」と言われたわけではない。自分の体が知っていたことを言語化し、研究に昇華させたテーマだ。既存の社会課題を借りてきたテーマではなく、自分の人生経験から必然的に導き出された問いだったからこそ、志望理由書で深く語れた。

三つ目は「3分動画に凝縮した自分らしさ」だ。道着を着用してクロストレーニングを実演した動画は、「インパクトも結構強めのビデオだったので、教授たちの印象に残ってくれた」という評価につながった。面接は予定30分のところ15〜20分程度で自然に終わった。「すんなり終わって、普通に受け答えしていく中で、そうなんですね、みたいな感じで」。徹底的な準備が面接を「答えを探す場」ではなく「自然な対話」に変えた結果だった。

「もう二度とやりたくない」と思うほどやった受験が、慶應SFCへの扉を開いた

慶應義塾大学SFC環境情報学部に入学した鈴木さんは、受験期に抱いたクロストレーニング研究への問いを大学でも追い続けた。1年生から研究に取り組み、バスケ部・ハンドボール部に所属しながら実践と研究を両立させ、卒論まで一貫してスポーツ研究を実施した。「個性豊かな人が多いっていったところは変わらずで、想像どおりで非常に楽しかった」というSFCの4年間だった。

卒業後は株式会社ベイカレント・コンサルティングにシステムコンサルタント職として入社する。「バリバリ働いて、どんどん成長していきたいという思いは、強いですね」。受験期のリベンジ精神は、今もその先に向かっている。

鈴木さんが受験生に伝えたいメッセージは明確だ。「まずは、最初の自己分析とか、そういったところから、一歩ずつ着実に積み重ねていってほしいな」。研究テーマは「探す」ものではなく、自分の経験を深く掘り返す作業の中から生まれる。そして「やっぱり塾っていう環境は非常に重要だったな」という言葉が示すように、一人で抱え込まずにプロの力を借りることが突破口になる。

「もう二度とやりたくないと思います」と言うほどの努力をした受験。その経験が今の自分を作っている。「失敗体験があったからこそ、今の自分がある」という言葉は、中学受験の失敗から慶應SFC合格まで続くストーリー全体を貫く、鈴木健太郎さんの信念だ。

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上林山 大吉

塾長

京都大学 経済学部 経済経営学科卒
東大寺学園高等学校卒。
総合型選抜(AO入試)にて京都大学経済学部に現役合格。
高校時代は生徒会長として学校運営に携わる。
知性を競う全国放送のクイズ番組「Qさま!!」出演。

総合型選抜は、単なる「AO 入試」ではなく、あなたの人生経験すべてが評価される、最も公平な入試形式です。逆転合格の扉は、あなたにも開かれています。

当塾では、堀井さんのような挫折を合格に導く支援してきた実績があります。あなたの経験、成績、志望校を聞かせていただき、総合型選抜での合格可能性を無料で診断するカウンセリングを行っています。

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